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柔道整復師と国民皆保険制度

柔道整復師・整骨院の医療費推移

この10~15年くらいで整骨院・接骨院の数は驚異的なペースで増え続けており、整骨院・接骨院の施術所数(鍼灸院は除く)は約1.7倍、柔道整復師の数(鍼灸師は除く)は1.8倍にも増えています。

それに対して、柔道整復師の柔道整復師が取り扱う受領委任払いの療養費は、医療費全体42兆円に対して、約0.9%の3789億円であり、その金額は年々減少傾向にあります。

柔道整復師に与えられた医療費の総額が年々減少傾向にも関わらず、柔道整復師や整骨院・接骨院が増え続けているということは、柔道整復師の収入が半減していることを意味しています。柔道整復師、整骨院、接骨院はまさに過渡期を迎えていると言えるでしょう。

 

世界に誇れる国民皆保険制度!


国民皆保険とは、日本国民のすべてが何らかの医療保険制度に加入し、ケガや病気をした場合に医療給付が受けられることである。
日本の場合、1955年頃まで、農業や自営業者、零細企業従業員を中心に日本国民の約3分の1に当たる約3000万人が無保険者で、大きな社会問題となっていました。しかし、1958年に国民健康保険法が制定され、1961年に全国の市区町村で国民健康保険事業が始まり、日本国民のすべてに保険証が与えられ、貧富の差に関係なく、誰でも安価に治療が受けられる保険医療体制が確立しました。

 

 

 

現在の日本の医療保険制度は、すべての国民が何らかの公的医療保険(国民健康保険・健康保険組合・協会けんぽ・共済組合など)に加入し、お互いの医療費を支え合う「国民皆保険制度」です。制度の確立からすでに50年以上も経過し、今では国民誰もが、保険証1枚で、どの医療機関にもかかれるのは当然のことだと思われています。

しかし、広く世界にに目を向けてみると、他国の現状はまったく違います。先進国の中でも民間保険制度中心の国もありますし、無保険の国民を多く抱える国も存在します。日本の医療保険制度に対する評価は高く、世界トップクラスの長寿国になり、乳児死亡率などの健康指標も首位を占めています。2000年には世界保健機関(WHO)から日本の医療保険制度は総合点で世界一と評価されました。日本の国民皆保険制度は世界に誇れる制度といえるでしょう。

 

一般的に、普通の人が病院の窓口で支払う金額は、かかった医療費の3割。残りの7割は、医療費という税金から支払われています。しかしながら日本の国民医療費の総額は、今現在42兆円と莫大な費用であり、しかも毎年1兆円を超えるペースで増え続けています。現在の仕組みのままでは、国民皆保険制度を支えることが難しくなってきている現状です。

高齢化や医療技術の発達によって、医療費が年々増え続けるなか、将来も国民皆保険制度を維持していくには、負担の仕組みを超高齢社会にあった制度に変える必要があるとともに、私たち一人ひとりが健康への意識を高め、医療費を節約していくことを考えなければいけません。